甲状腺内分泌外科/甲状腺内分泌内科診療内容

甲状腺内分泌学講座は、「甲状腺・内分泌診療センター」において内科・外科の外来診療、甲状腺内分泌外科の入院診療を担当しています。

視床下部・下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎・膵臓・腎臓・性腺などの内分泌器官の機能異常、甲状腺がん・褐色細胞腫・原発性アルドステロン症・副甲状腺がんなど内分泌器官の腫瘍などの疾患を対象とし、内科・外科の専門医が診断から治療までのシームレスな医療を提供します。

1. 間脳・下垂体疾患

間脳・下垂体は全身の内分泌臓器を制御する内分泌臓器です。下垂体疾患で頻度が高い下垂体腺腫は下垂体ホルモンの過剰分泌がみられる機能性下垂体腺腫(先端巨大症・プロラクチノーマ・クッシング病・TSH産生腫瘍など)とホルモン産生がみられない非機能性下垂体腺腫に分類されます。また、中枢性尿崩症・リンパ性下垂体炎・下垂体機能低下症などの下垂体機能異常は電解質異常や全身症状を呈することがあります。

これらの診断には下垂体MRIなどの画像検査や、ホルモン値の測定や負荷試験による内分泌機能検査が必要になります。

2. 甲状腺

甲状腺はヨウ素を原料に甲状腺ホルモンを合成・分泌しています。甲状腺機能亢進症や破壊性甲状腺炎では甲状腺ホルモンが過剰になる「甲状腺中毒症」と甲状腺ホルモンが低下する「甲状腺機能低下症」に分類されます。

TSH、fT4値の測定に加えて、超音波検査、核医学検査によってその病態が明らかにし、甲状腺機能異常の病態を分類し、甲状腺ホルモン値を是正する適切な治療を行います。

甲状腺

甲状腺では、結節・のう胞が超音波検査で高頻度に発見されることが知られています。超音波検査所見をもとに細胞診が行われ、甲状腺がんを診断します。

甲状腺がんに対して、甲状腺片葉切除、全摘、両側頸部リンパ節郭清をはじめ悪性度に応じた術式を選択しています。また、がんの浸潤に応じて、気管食道合併切除、胸骨縦隔切開による縦隔郭清などの拡大手術や反回神経縫合術等の機能回復手術を施行します。良性腫瘍やバセドウ病では、内視鏡下甲状腺切除術が選択できる場合があります。

3. 副甲状腺

副甲状腺は甲状腺の背側にあり、カルシウム・リンを制御する副甲状腺ホルモンを産生しています。副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態が続くと、血液中のカルシウムが上昇し、尿路結石や骨量低下がみられることがあります。血液検査にくわえて超音波検査や核医学検査によって腫大した副甲状腺を同定し外科的に切除を行います。

4. 副腎

副腎は左右の腎臓の頭側にある4g程度の小さな臓器です。さらに、副腎は球状層、束状層、網状層の3層構造からなる皮質と、その内側に髄質にわけられます。皮質では、アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲンが産生され、髄質ではカテコラミンが産生されています。これらのホルモンは下垂体や自律神経によって制御されていますが、自律的に分泌がおこってしまう副腎腫瘍が原発性アルドステロン症や褐色細胞腫です。

血液検査、内分泌負荷試験、核医学検査、PET-CT、サンプリン検査によってよって診断を行い、治療法を選択します。

甲状腺・内分泌診療センターでは、悪性褐色細胞腫に対して保険診療にて 131I-MIBG 治療を行っています。

説明を希望される方は、下記の甲状腺・内分泌診療センター外来へご相談下さい。

担当:甲状腺・内分泌診療センター 火曜日、水曜日新患担当

甲状腺・内分泌診療センター外来受付直通 024-547-1416

https://www.fmu.ac.jp/byoin/new/sosiki/kojosen_naibunpi_center.htm

副腎